渋谷区神宮前にあるGYRE 3FのGALLERYで行われている名和晃平さんの「Oracle」を期間滑り込みで観てきました。
数年前に[PixCell]という作品で話題になった時にも拝見したことがあり、
昨年J-waveのGROWING REEDという番組のゲスト出演されていて、気になっていました。(こちらのラジオ番組もオススメです。毎回各界のゲストを招いての対談が面白いです。)
さて話は戻って、PixCell作品ですが、今回も展示されており、やはり来館者がもっとも目を引くものとなっていました。
PicCellはPixcel(画数)とCell(細胞)を合わせた造語で、PCの画面に現れるイメージ(Pixcelの集合体)のように、無数のCellで「被膜」されていく様を表現しています。
サイズの異なる透明の球体により、光や反射、角度により見え方が変わる不思議な作品です。
今回の展覧会タイトルの【Oracle】には【神託・神意・助言を与えてくれるもの】という意味があり、今のこのコロナ禍における人々の心情を汲んでのもののようです。
入り口入ってすぐにある[Trans]というこちらの作品↓は、混沌とした世の中で人々を導く存在として作られたもの。
元々は京都の伝統工芸復興プロジェクトから誕生した作品だそうです(名和さんは京都を拠点として活動されてます)。
春日大社本殿第一殿の祭神を表現した鎌倉時代の彫刻、春日神鹿舎利厨子(かすがしんろくしゃりずし)をモデルに、3Dシステム上でデータを制作した形を仏師が彫り、漆塗りや箔(はく)押しといった伝統的な技法で仕上げています。
今回、一番目を惹かれたのは[Moment]という作品でした。
正直、パンフレットに書かれている技法を読んでもよくわかりません(笑)。
ただ、対面した時の存在感と一見平面的なものが奥行きを感じさせ、一気に作品に引き込まれる感じがしました。
制作過程を動画で見せてくれないかなーと思いつつ、こういったメイキングはすごく需要があるだろうなと考えていました。
その他、合計19点が展示されていました。
[Blue Seed]
[Rhythm]
芸術作品を観て、わからなくてもいいと私は考えています。
作者がどういった意図を持って制作しているか、もちろんそれを知ることで作品への理解や面白さというものは増しますが、
例えば、
気になった作品がどう作られているのか、素材はなんなのかというように、物体としての興味を広げてもいいし、
「なぜ気になるのか」という、作品と自分の中の感情とのリンクを深掘りしてもいいし、
ただ「美しい」「凄い」と思う、それによって自分の感覚の揺れを感じるだけでもいいと思います。
こういった時間を時々持つと、日常ではあまり使わない感覚が刺激されるので、
自身の興味関心ごとが少し広がるかもしれません。