録り貯めているTV番組を観ていたら、面白いモノを見つけました。
というか、絶賛片付け中なので私のアンテナにひっかかった感じです。
先日おススメしていたTV番組の一つを取り上げながら、
片付けの難しさと、難しさを理解しながら何からやればいいのかを簡単に書いていきたいと思います。
今回見ていた番組はこちらです↓
「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ」という、俳優の織田裕二さんとアナウンサーの藤井彩子さんがMCを務める番組です。
番組内容はHPの引用より↓
「ヒューマン」と「サイエンス」の造語「ヒューマニエンス」。人間という不確かで不思議な存在とはいったい何なのか?その真の姿に迫っていくシリーズ。
″整理整頓″とは何かを知る
言葉の定義
「整理整頓」の定義から改めて広辞苑の意味を確認すると、次のようになります。
整理:乱れた状態にあるものを整え、秩序正しくすること。不必要なものを取り除くこと。 など
整頓:よく整った状態にすること。きちんと片づけること。
二つの単語が組み合わさったもので、「不要なものを取り除いて整った状態にする」という行動になります。
なにを当たり前のことをと思っているかもしれませんが(笑)、ちょっと頭の片隅に置いておいてください。
脳科学の観点から
いきなり片付けと脳の話から入りますが、実はけっこう密接な関係があります。
動物は通常、行動や思考をするときに、
脳のワーキングメモリを7±2の情報のみしか扱うことができないそうです。
つまり、最低5最高9の情報量です。
番組内では冷蔵庫とまな板を例に説明されていました。
冷蔵庫は長期記憶を扱う無意識のデータベースで、まな板がワーキングメモリとなります。
つまり、脳の中にある膨大な記憶の中から思考する時に取り出される情報量が7±2です。
人間は五感を使って取り入れた情報を、「言葉」を使うことによって整理整頓することができるようになったことで、高い思考力を身に付けたと考えられているそうです。
多くのモノを抽象的な概念で処理する、例えばりんご・みかん・バナナをカテゴリーとして″果物″と置き換えることによって、ワーキングメモリを効率的に使用できるようになったのです。
もしこれができないと、取り入れた情報で反射的に動く、行き当たりばったりの行動となってしまうとか。
この後、人類がいつから整理整頓を行いだしたかという「文明」の話になってきますが、ここでは端折ります。
片付けが難しいワケ
脳の使い方がざっとわかったところで、実際の片付けの話に戻ります。
部屋を片付けようと思った時に、その場所を見るだけでちょっと疲れたりしないでしょうか。
そして、重い腰を上げて実際に片付けを始めると、思っていた以上に疲労困ぱいしたりします。
それもそのはず、片付けで発生するプロセスは脳のあらゆる分野を使用しているからなのです。
片付けは総力戦
まず、片づける場所の認識、空間把握をします。
次に、その中からいるモノいらないモノの取捨選択をし、
実際に動いてそれを片付ける作業をし(ゴミの分別なども含め)、
最後に、しまった場所を記憶しています。
脳全体が活性化した状態、つまり過集中している状態を作りださないと、整理整頓はできないということです。
片づけたい場所を見たときに、この脳の領域が一瞬働き、やることの多さがわかって、始める前から疲れるのかもしれません(笑)
私は、収集心が強く、モノを多く持っているタイプですが、片付けはやろうと思えばできるタイプです。
まだ本気出してないだけ、みたいな言い方になってますが(笑)
しかし、実際に片付けをすると、小さな範囲でも、もの凄い疲労感を感じるので、
「できると思っていたけど、私は片付けに向いていないんだな・・・」と思っていました。
けれど、今回の脳の過集中の話を聞いて、目から鱗。
片付けとは疲れるものなのか!という納得感と、
別にとてつもなく苦手なことをしているワケではなかったという安堵感がありました。
片付けで心と向き合う
番組内ではモノの片付けというのは、心の整理にも繋がってくるもの、
記憶領域と精神的な領域にも影響するので、大変なのではという話もでていました。
モノへの執着とは、つまりは自分のモノに対する思い入れ。
その取捨選択、手放すプロセスが片付けだという話でした。
また、『部屋の乱れは心の乱れ』とよく言われたりしますが、
自分の許容量を超えている状態では、モノを整理整頓する余裕もない状態ということになるので、
こちらも納得ですね。
実験_3人の研究者の部屋
さて、番組内でちょっと面白い実験をしていました。
3人の研究者の研究室に行き、部屋の中から指定したものをどれくらいの時間で探し当てられるか、
という実験です。
3人のうち2人の研究室は本や資料、偏愛の強いもの(顕微鏡など)で埋め尽くされていて、
他人から見ると″散らかっている″部屋でした。
残りの1人の研究室は、整然としていて、空間を広く感じる″整った″部屋でした。
ところが、実験の結果でいうと、
″散らかっている″部屋の2人の方が、指定されたものを秒で見つけられ、
″整った″部屋の1人の方は、指定されたものを見つけられずにギブアップしました。(ちょっと一人だけお題が難しかった感は否めませんが…)
ちなみに、″整った″部屋の研究者は、ケース内に入っていた″〇〇について書かれた資料″というのが指定されたものでしたが、
「その原文になる本がこれなのはわかってるんだけどなぁ」と、身近にある本を手にしていました。
3人に『自分にとっての研究室とは』という質問をすると、こんな回答が出てきました。
「自分にとって心地のいい配置(場所)」=自分にとって合理的である
「自分の脳を反映させている場所」=自分にとってのデータベース
「必要なものだけ身近にある場所」=自分にとって、忘れるモノはいらないモノ
片付けは抽象化
研究者たちの実験から、部屋がどんな状態であれ、
研究者たちは「空間」を把握し、カテゴリー分けをして自分が持っているものを認識していることがわかります。
つまり、先にあげた脳というデータベースに、抽象化した(カテゴリー分け)空間があり、
それを取り出すと、さらに具体化された情報が保存されているイメージでしょう。
他人から見て散らかっている部屋でも、自分として空間把握・何がどこにあるというのがわかっていれば、
別に片づける必要はないのかもしれません。(*衛生的であることは大前提なので省きます)
大抵の人は、とりあえず置いといてしまったり、使ったあとそのまま片付けずにいたり、
必要なものと不要なものが入り混じった状態のものに囲まれていることが多いのだと思います。
まとめ
何か必要になったときに、「探す」作業に年間150時間使われているというような話があります。
私たちは、無意識に探すことにも毎日エネルギーを使っています。
空間把握していても、必要なものの中からピックアップするのと、
不要なものも混じっている中からピックアップするのとでは、
脳への負荷も変わってくるはずです。
些末な例ですが、私は最近化粧品BOXを整理整頓しました。
使うものは決まっているのに、なんとなく捨てられずにいたモノと一緒になっていて、
文字通り″ごちゃごちゃ″していました。
中身を1度全部出して、モノの取捨選択をしたら、一目でどこに何があるのかわかるし、取り出しやすいし、本当にスッキリしました。
いきなり大きな範囲をやると、エネルギーを大量消費して、片付けに対する苦手意識が先行してしまう可能性があるので、
まずは小さな範囲に、実際に何があるのか把握するところから始めてみるといいと思います。
きちんと管理できているつもりでも、ダブって持っているモノが出てきたりするものです。
探す作業が不要になると、自分の身体も心も楽になり、部屋で過ごすこと時間がより充実したものになること間違いなしです。
私も引き続き、部屋の片づけを継続して行っていきたいと思います!
ヒューマニエンスは、ちょいちょい再放送もされているので、ご興味ある方は放送予定をチェックしてみてください。