今回の自粛期間に、家が居心地よくないということに気づいた方がチラホラいるようです。
「部屋をいかに快適にするか」というのは、滞在時間が長いほど重要になってくる要素ですよね。
高価なものでなくても、インテリアの色を揃えてみたり、ファブリックを変えてみたりといくつか手段はあると思いますが、
今回は「植物のある暮らし」の良さと簡単なメンテナンス方法を、観葉植物を例にご紹介します。
実は前職が植物をメインに扱うお店(ライフスタイル提案型)の店長をしておりました。(さらにその前は違うことをしてますが)
生産者さんやガーデニングがめちゃくちゃ趣味というような人には及びませんが、ちょこっと知識があるので、簡単にご紹介。
植物の効能
空気が綺麗になるとか、マイナスイオンが出ているとか、目にいいとか色々調べると出てきますが、
言ってしまうと、緑地帯や木々が鬱蒼としている公園や森林に行かない限り、その効能を家に1つ観葉植物を置いた程度では、なかなか実感できないと思います。
が、それでも私の経験から、植物をきちんと育てている人には植物から受け取る癒しの効果が少なからずあります。
店舗で働いているときは、一日中立ち作業・力仕事・店長業務と、毎日余裕なく働いており、心身共に疲れていました。
しかし、店舗に行くのが嫌になるどころか、足を踏み入れる時に脳がリラックスする感覚を何度も体験しました。
ちょうど入り口側が観葉植物の販売スペースだったことが起因していたのだと思います。
その時の仕事の影響で、今では室内とベランダに合わせて26鉢が、さほど広くない部屋にあるので、必ず視界にグリーンが入ってくることに心地よさを感じています。
中鉢(8号サイズ程度)が家にあるだけで、雑誌に載っているような部屋を作ることは簡単です。「その空間にいる自分」が好きになれる人もいるかもしれません(そのためにも植物の世話は頑張ってください)。
種類を選ぶ時に、自分の好きな植物の傾向がわかったり、新芽の時期や開花時期は日々のちょっとした違いに感動したりと、自分の内側の変化にも気づくと思います。
これは私が植物好きになったからというのもありますが、そんなに興味なかった友人たちにも現れた一面です。
ちなみに、私は斑入り(葉っぱに白い模様があるもの)の植物に惹かれることが多く、友人は葉先が尖った多肉植物を気に入ったり、別の友人は枝ぶりにこだわりがあったりします。
世話が大変なイメージ・・・
当時お客さんに、(雑誌のように)家に植物を置きたいのですが…と言われて、続くリクエストが、
でも、部屋に土を入れたくないんです。
世話が面倒でない奴がいいです。
陽に当てないとダメですか?
植替えってしないとダメですか?
というもの。
植物って生きてるって知ってますか?
けっこう精巧な造花が増えてきているので、グリーンとかもそういうのを置いたらと勧めることもありましたが、そういう方に限って、本物じゃないと…という謎のこだわりが返ってきます。
まずは、植物は見た目にもいい状態を保つなら、少なからず手間がかかるものだと認識しましょう。
とはいえ、今は色々工夫された商品が出ているので、それらを一度見てみるといいと思います。
栄養分が土にすでに配合されているものや、軽い培養土、土の代わりになり手が汚れないハイドロやセラミスなど様々なものが販売されています。(参考:PROTOLEAF)
植替えをネットで調べると、適する土の説明に色々な種類が出てきますが、特殊な品種でない限り、趣味で育てる分には鉢底の石と培養土で十分です(多肉植物は専用の土がおすすめ)。
植物の性質によって水捌けが重要だったり、水をあげすぎてしまうなどの悩みがあれば、鉢底石の量を少し多めにして、水捌けがしっかりされる環境を作ることが大事だと思います。
室内観葉植物に大事なこと
室内で人気の品種は、エバーフレッシュ、ドラセナ、ウンベラータ、ベンガレンシス、パキラ、ベンジャミンあたりかと思いますが、育て方に大きく差はありません。
成長期の水の吸い上げ具合や、部屋の乾燥具合など差はあるともいますが、以下のことを行いましょう。
- 土が乾いたら鉢底から水が出るぐらい水をあげること
- 室内灯で構いませんが、カーテン越しの陽にたまに当てること
- 風通しのいい場所に置くこと
- 定期的に霧吹きで葉の面裏を保湿すること
水やりは、何曜日と決めずに、必ず土の状態を手で触って確認してください。表面は乾いていても中はまだまだ水分を持っていて、水のあげすぎになってしまうことがあります。鉢底から流れ出るぐらい水をあげるのは、土の中にある古い空気などを追い出して循環させるためです。
霧吹きの重要性
大事に育てていても、乾燥が続いたり、新芽の時期などに葉に虫がつくことがあります。
付きやすいのは、ハダニやカイガラムシという種類になりますが、霧吹きで対応できます。
名前からもう嫌になりそうですが、人体に影響はありません。
新芽が出てきているのに葉の状態が悪かったり、葉が落ちたり、葉っぱがベトベトしていたら要注意です。
↑我が家のガジュマルを例にとって…写真が下手ですが、新しく出てきた葉っぱ(黄緑かかったもの)がいびつだったり、葉色が悪いのがわかると思います。
葉っぱを縁取っている白い点は葉っぱ本来のものですが、(この写真ではわかりませんが)よくみると肉眼で確認できる小さな虫がいます。
葉っぱをとってしまうというのも1つですが、全部が全部死ぬ葉っぱではないので、霧吹きで対応しましょう。不要な葉っぱは植物自身が勝手に落とします。
霧吹きをするということ
当時よく「霧吹きしてますか」と聞くと、
「2〜3回吹きかけてます」という回答をいただいていましたが、
はっきり言って、全然足りません。
霧吹きをするってこういうことです🔽
やるときは、床に滴るほど、葉っぱの裏側を中心に表までびしょ濡れにしてください。
(ベランダがオススメですが、出し入れが大変な場合は、古新聞やレジャーシートで床を保護してください。)
枝は上から下に力をかけると折れてしまいますが、逆に下から上にする分には問題ありませんので、葉のうらは下から霧吹きをかけるというより、枝を下から上にめくるようにするとまんべんなくふきかけることができます。
虫にやられていることがわかったら、1回では退治しきれないので、毎日やるぐらいがオススメです。難しい場合には定期的に思いっきりやるようにしてください。
大事にできると…
植物は「生き物」なので、普段の世話はもちろん、植替えや剪定などメンテナンスをすれば、翌年はさらに立派な姿を見せてくれます。花が咲く外の植物は、蕾がついて膨らんで満開になるという開花時期が本当に楽しみです。
写真のガジュマルも、買ったときは手のひらにおさまる鉢の大きさでして、全然知識がないときに買ったものですから、一度殺しかけました…でもそこから今はこんなに立派に。
大事にすると、その分姿で答えてくれますし、私たちが思っているよりずっと植物は強いです。もし既に部屋の隅で、放ってしまっている植物がいたら、是非メンテナンスをしてあげてください。
生き物と共存しているという感覚を、身近なところから感じてみませんか。